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スリットガイド

不織布とは

不織布の素材や特徴について

不織布は、マスクやおむつ、包装紙など、生活の多くの場面で利用されている素材の事です。

このページでは、不織布のメリット、デメリット。不織布の歴史や原料について詳しく解説します。それでは、どうぞ!!

 

 

 

1.不織布とは

不織布(ふしょくふ)とは

不織布(ふしょくふ)とは

不織布(ふしょくふ)とは、繊維を織らずに絡み合わせたシート状のものです。

「織られていない布」という意味で、繊維をよっていない布の事です。

英語で書くと「non-woven fabric」となります。

不織布は、熱や化学物質、機械で接着したり絡み合わせたりしてシート状にしたものを指します。製造工程がシンプルなのが特徴です。

 

不織布をアップしてみると、上記のようになります。

ランダムな繊維になっていると思います。

これが、「不織布」なのです。

 

身近だと「マスク」などが不織布です。通気性、吸湿性などに優れています。

 

大量生産ができる

イメージしずらいと思いますが、織物(おりもの)は、規則正しく繊維(せんい)をあんでいます。

不織布は、繊維がランダムになっています。

そんなイメージです。

大量生産でき、コストも安いので使い捨ての製品などに向いています。

 

不織布

 

不織布はラッピングの布としても使われていたり。

医療の現場では、ガーゼとして使われていたりと、生活の様々な場所で活躍をしています。

 

不織布

 

不織布は繊維を熱などで接着して、布にしています。

大量生産ができるので、フェルトに変わり1950年ごろから普及するようになりました。

加工の方法によって、肌触り、色などが変わります。

 

不織布は、原料と、製造方法を組み合わせる事で、「通気性、吸水性、ろ過性、保温性、強度」など、色々な用途に利用する事ができます。

 

・色々な場所で使われている

・大量生産ができる

・使い捨てで利用ができる

 

 

2.不織布の長所とは?

不織布の長所とは?

不織布の長所は、色々な種類がある事と、大量生産ができる事です。製造する方法が、シンプルなので、大量に作れるので、値段が安くなります。

通気性が高く、吸水性があるのも、魅力です。

さらに、加工がしやすいので、色々な用途に使う事ができます。

 

医療現場ではガーゼ、マスク

日常生活では、「おむつ」や」ウエットティッシュ」

建築現場では、防水シート、防音シートなどなど。加工のしやすさもあり、様々な用途で利用が可能です。

 

不織布は、しなやかなものから、強い耐久性があるモノまで、色々なモノが作れます。

自由度が高い事が「不織布」の良い部分です。

 

マスクやガーゼなど、使い捨てで利用したいモノは、不織布で作られています。洗濯ができないなど欠点はあるのですが、大量生産ができるので、不織布はデメリットには目をつぶってもおつりが来るほどです。

 

・大量生産ができて、安い

・複数の素材を組み合わせることができる

・厚みやすきまを調節できる

 

3.不織布のデメリットとは?

透明が難しく・強度が弱い

不織布のデメリットは「耐久性」と「伸縮性」です。

つまり

強度が弱くて、伸びない...という部分です。

不織布は、大量生産しやすいのですが、織ってある布に比べると、かなり強度が劣ります。不織布は、摩耗や引っ張りによわく、洗濯を繰り返してしまうと、強度が落ちてしまいます。

さらに、透明なものをつくることが難しい..という特徴があります。

 

不織布のデメリットとは

熱と水に弱い

不織布は強度が弱いので、基本的に洗濯は「不可」になっている事が多く、アイロンもNGになっていたりします。

特徴を活かして利用する事が大事とも言えます。

 

不織布のデメリット

伸縮性が弱い

不織布のデメリットとして、もう一つあげられるのが、「伸縮性」です。不織布は、繊維がランダムに結合されているため、伸縮性や布の自然なたるみ(ドレープ性)が出しにくい傾向があります。

さらに

不織布は、素材が劣化しやすいという、欠点があります。長期的に利用するのには、あまり向いていません。

さらに

熱に弱い事もあり、アイロンを使う場合は注意が必要になります。

 

 

逆に言えば

不織布は、耐久性を必要としないので、使い捨ての製品には向いています。

「手術をするときの服、ガーゼ、マスク」

日常では

「紙おむつ、ウェットティッシュ」

建築の用途では、「ルーフィング材、防音シート」などは不織布で作られています。

 

弱点はあるのですが、様々な用途として、日常生活に利用されていたりします。

 

【不織布のまとめ】

種類

詳細

メリット

大量生産ができる

生産コストがやすい

デメリット

耐久性が弱い

水洗いに弱い

 

・耐久性が弱い

・洗濯に弱い

・伸縮性がない

 

 

4.不織布の歴史とは?

1920年代にドイツのフェルト業者

不織布の歴史とは?

工業的な不織布は1920年代にドイツのフェルト業者が、毛屑や紡毛を接着剤で固めてフェルトの代用としたものが始まりとされています。

 

工業的に利用されるようになったのは、1930年、アメリカからと言われています。

そこから、少し遅れて、日本では、1956年に日本クロス工業(現・ダイニック)、金星製紙、倉敷繊維加工、金井重要工業、富士帽子工業(現・フジコー)、日本フェルト工業(現・アンビック)、など先発メーカーが、アメリカから乾式不織布製造装置を購入しました。

 

この中で

金星製紙が国内で初めての「乾式不織布」の製造に成功したことで、日本の不織布の歴史が幕を開けます。

 

出典:ヒクマ株式会

 

続いて2年後の1958年には廣瀬製紙(高知県)、三木特種製紙などがビニロン、ナイロンによる「湿式不織布」の生産を開始したことで、本格的な不織布の時代が始まりました

 

出典:CHAGOCORO

 

湿式不織布とは

湿式不織布とは、水を媒体として作られた不織布の事です。乾式不織布よりも短い合成繊維が使われています。 天然繊維、合成繊維を問わず、好きな割合で配合する事ができ、均一なシートを作る事ができます。

 

 

1959年3月には先発乾式メーカー4社で「不織布懇話会」が結成さました。

同年9月には日本不織布工業会に名称が変更になりました。

1964年、王子キノクロスが世界ではじめて「木材パルプ」を主原料とした「乾式不織布」に成功しています。

 

乾式不織布とは

乾式不織布とは

乾式不織布とは、100mm程度の長さの繊維を乾いた状態からシート化する方法の事です。

繊維を乾燥した状態で、シート(ウェブ)状にします。

 

乾式はウェブといわれる「わた」をシート状にしたものをつくる際に、水を使わずに機械で行うものをいいます。

空気の流れや機械的な力で繊維を作ります。

ふっくらと、厚みがある風合いの製品を作る事ができます。値段が安いのも特徴です。

使い捨て商品を作る事ができるので、マスク、おむつ、生理用品などの衛生用品などは、乾式不織布で作られています。

 

乾式法、2つの製法

乾式法は、2つの製法に分けられます。

カード式、エアレイド式です。

 

【製法】

種類

用途や特徴

カード式

繊維をカード機(ローラーの付いた機械)に通し、梳(くしけず)ることで一本一本にほぐし、一定方向またはランダムにウェブを形成します。

エアレイド法

繊維を空気の流れ(エアー)で分散させ、ランダムに吹き付けてウェブを形成します。

 

カード法の特徴は、繊維の方向性によって、縦方向の強度を強くしたり(パラレルウェブ)、縦横の強度を均一にしたり(クロスウェブ)できます。

エアレイド法の特徴は、均一なシートができやすく、特に吸水性が求められる厚手の製品に適しています。

 

現在では不織布はほとんどが乾式となっています。

 

ちなみに

ウェブ(シート)を形成した後、強度を持たせるために繊維同士を結合させる方法にも、種類があります。

 

種類

用途や特徴

サーマルボンド法

低融点の繊維を混ぜ込み、熱で溶かして結合させる方法。

接着剤を使わないため、ソフトな風合いになります。

ケミカルボンド法

接着剤(バインダー)をスプレーなどで吹き付けて乾燥・硬化させます

繊維間を結合させる方法です。

ニードルパンチ法

特殊な針(ニードル)で繊維を何度も突き刺し、機械的に繊維同士を絡み合わせる方法。

耐久性・強度に優れます。

 

このように、製法を変える事で、様々な製品を作る事ができます。

 

 

【参照】

不織布とは?

富士市 製糸業の歴史>>

包装紙のモダニズム 金沢美術館>>

 

 

5.不織布の原料とは

不織布の原料とは

天然と化学繊維がある

不織布の原料には、天然繊維と化学繊維(合成繊維や再生繊維)の両方があります。

化学繊維は、ポリエステルなどが、洋服として良く利用されています。ペットボトルも、合成繊維(ポリエステル繊維)として、日常の生活でたくさん使われています。

 

ユニクロ素材

衣類の約50%以上が、PET繊維を原料としていると言われています。ユニクロの服が安いのも、この合成繊維、化学繊維のおかげ!!と言えるかもしれません。

天然の素材では、コットンや麻などが、身近かもしれません。

 

【化学繊維】

種類

用途や特徴

ポリエステル

(PET)

不織布で最も多く使用される原料の一つ。

強度や耐熱性が高く、衣料品やフィルターなどに

ポリプロピレン

(PP)

比重が軽く、耐久性・防水性に優れています。

マスク、おむつ、不織布バッグ、日用品に多い。

ポリエチレン

(PE)

軽くて丈夫、耐熱性は弱い。

産業資材などに良い。

レーヨン(再生繊維)

木材パルプが原料の再生繊維。

吸水性・吸湿性に優れている。

衛生材やナプキンなどに使われます。

ナイロン

軽さ、耐久性、伸縮性に優れますが、コストが高い

 

化学繊維は、生活の幅広い分野で利用されています。

特にポリエステルは、最も多くの製品に利用されています。

 

 

【天然の遷移】

自然界に存在する繊維で、肌触りや吸水性を活かした製品に使われています。

夏になると、コットンのTシャツを着る人も多いのではないでしょうか?給水性に優れており、汗を吸ってくれます。

 

 

種類

用途や特徴

綿(コットン)

肌触りが良く、吸水性に優れます。

医療用品などに使われます。

パルプ

木材などから抽出した繊維で、紙の原料にもなります。

湿式不織布として化粧品や食品関連などに使われます。

羊毛

圧縮・蒸気により繊維を絡ませて作るフェルト(不織布の一種)の原料。

衣料品や防音素材に使われます。

環境に配慮した新しい原料として注目されています。

 

これらの原料は、単独で使われることもありますが、複数の繊維を組み合わせて製造されることも多いです

 

 

6.まとめ

不織布のカット

不織布のメリット、デメリット、工法や歴史については、いかがでしたか?

不織布は、大量生産ができるが、耐久性が弱い。

デメリットもあるが、便利な素材だ!!という事が理解できたかもしれません。

新井ロー加工紙工業では、不織布の「スリット加工」をしております。不織布のカットでお困りなら、ぜひご相談くださいませ。

 

不織布のスリット加工をお考えなら、新井ロー加工紙工業にお任せくださいませ。

 

 

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